残業代は支払われていますか?
「毎日夜遅くまで残業はしてるけれど、残業代はもらっていない」「残業はしているけれども、そもそも残業申請ができない」など残業代をめぐるトラブルは後を絶ちません。
最近問題になった名ばかり管理職も「管理職だから残業代を支払わない」というように残業代不払いの問題でした。
残業代についての法律
法律では、1日に8時間を超えて働いた場合や、1週間に40時間を超えて働いた場合には、会社はその分の残業代を支払わなければならないことになっています。
この残業代については、もし会社との間で「残業代は支払わなくてよい」という約束をしていたとしても、そのような約束は法律違反として無効とされるので、会社は残業代を支払わなければなりません。
そもそも会社と社員が結ぶ雇用契約というのは「社員が何時間働くことに対して会社がいくら支払います」という契約ですから、残業して働いたのにそれに対してお金が支払われない、というのは全くおかしなことです。
賃金請求権の時効消滅
永遠に残業代を請求できるわけではありません。
賃金請求権(残業代も含みます)は2年間が経過すると時効により消滅するとされているので、請求もせず2年以上経ってしまった分の残業代は請求できないことになります。
逆にいえば、今から2年以内の分の残業代であれば、会社に支払いを求めることができます。
また、会社を辞めた後であっても、会社に残業代の支払いを求めることができます。
では、実際に残業代をいくら、会社に請求できるのでしょうか。実際に計算してみましょう。
法律では、1日に8時間を超えて働いた場合や、1週間に40時間を超えて働いた場合には、会社は時間外労働として割増賃金を支払わなければならないことになっています。
時間外労働の場合の割増賃金は、通常の労働時間の賃金の1.25倍となります。
| 時給の 場合 |
時給1,000円の方が1時間残業した場合には、1,000円×1.25×1時間=1,250円の残業代を請求できることになります。 |
|---|---|
| 月給の 場合 |
月給の場合、まず月給から「通常の労働時間の賃金」を計算する必要があります。具体的には月給を1ヶ月の所定労働時間数で割って、時給にあたる額を計算します。所定労働時間とは就業規則や労働契約で定められている始業~終業時までのことです。 例)就業時間:午前9時~午後6時(昼休1時間)1日8時間、平日週5日間勤務の場合 ※(平日は1ヶ月に22日として計算)、所定労働時間、8時間×22日=176時間となります。 月給が20万円だとすると、通常の労働時間の賃金は1時間あたり約1,100円となります。 (20万円÷176時間=約1,100円) これに先ほどの割増率1.25をかけた額が残業代となりますので、1時間残業した場合、1,100円×1.25×1時間=約1,375円の残業代を請求できることになります。 |
賃金に含まれないもの
「家族手当」、「通勤手当」、「賞与」など。
割増賃金の基となる月給からは「家族手当」「通勤手当」など労働の内容や量とは無関係に支払われるものは除かれます。
また、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)も除かれます。
請求の流れ
会社へ直接請求
1. 残業代未払い額の計算 2. 会社に直接請求
会社に請求します。請求したという証拠を残すために、内容証明郵便の形で通知するのがよいでしょう。
これで会社が任意に支払ってくれれば問題は解決しますが、様々な理由をつけて、会社側が支払いを拒んでくることもしばしばあります。
裁判所の利用
裁判所を利用して支払いを求めることもできます。
裁判というと時間がかかるイメージがありますが、現在は労働審判という手続きがあり、これを利用すれば数か月で解決するのが通常です。(審判に対して異議がある場合には裁判になりますので、常に数か月で解決するわけではありません。)
労働審判とは、裁判官1人と労使関係の専門家(裁判官ではありません)2人の計3人が、原則として3回以内の期日で審理を行うという紛争解決手続です。
労働審判に対して当事者から異議の申立てがあれば、労働審判事件は訴訟に移行します。

























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