解雇は自由ではありません
解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となります。
どのような場合に合理的な理由が認められるかはケースバイケースで一概には言えませんが、解雇の理由ごとに説明します。
(1)懲戒解雇の場合
懲戒とは就業規則で定められた会社のルールに違反した場合に、それに対する制裁として行われる処分です。
違反が軽い場合には、けん責(始末書の提出)や戒告、減給がなされ、最も重い場合に懲戒解雇となります。
懲戒解雇となると、退職金が支払われなかったり、再就職が難しいなど大変な不利益がありますので、懲戒解雇が有効となるのは、就業規則に定められた懲戒解雇事由があり、規則違反が解雇に値するほど重大である場合です。
裁判で懲戒解雇が有効とされた例としては、鉄道会社の社員が電車内で痴漢をした場合や営業所長が重大な過失によって部下の多額の横領行為を発見できなかった場合などがあります。
(2)整理解雇の場合
整理解雇とは人員削減のための解雇、いわゆるリストラのことです。働く方の事情による解雇ではなく、会社側の都合による解雇である点に特徴があります。
整理解雇の場合に、解雇が有効だと認められるためには、
- 人員削減が必要であること
- 会社が解雇を回避する努力をしたこと
- 人選が妥当であること
- 手続が妥当であること
の4つの要件を充たす必要があります。これらの要件を充たしていない場合には解雇は認められませんので、たとえば、解雇を回避するために任意退職の募集などの他の手段を試みずにいきなり整理解雇をした場合などには解雇が無効になる可能性が高いです。
(3)その他の理由による解雇
たとえば病気や怪我により労働能力を失った場合、勤務成績が著しく悪い場合、採用時に経歴詐称をしていた場合などが考えられます。
この場合には、就業規則に定められた「解雇の事由」にあたるか、あたるとして解雇が相当だといえるか、が問題になります。
裁判例では、業務命令違反により4回けん責処分(始末書の提出)を受けた後の解雇を無効としたものがあります。
1.使用者(会社)に対して、解雇理由証明書を求める。
会社側は、従業員から退職の証明書や解雇理由の証明書を請求された場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。
書面を見ることで、「解雇されたのか」「合意解約なのか」「解雇理由」などを把握することが可能です。とくに、解雇理由については具体的に記載しなければならないことになっているので、もし「労働者の適格性の欠如・喪失」などと抽象的な表現だった場合には、会社側に対して文書説明、回答を請求することができます。
そうすることで、会社が解雇の理由に挙げている点を1つずつ反論していくことができ、会社に解雇の撤回を求めることも可能となるのです。
2.退職を前提とした行動(退職金請求など)
就労の意思を明らかにし、退職金の請求などの行動は控えたほうがいいでしょう。
解雇予告後に、退職金の振込や、健康保険証の返却があったとしても、返還するか、預かり保管し、以降発生する賃金の一部に順次充当する旨を内容証明郵便で通知しておいたほうがよいでしょう。

























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